7月に開催された香川県主催の保育所長研修で、弁護士仙頭真希子が講師としてお話しました。
テーマは「弁護士の立場で考える保育所におけるリスクマネジメント」です。
弁護士としてお話しするからには、実際に経験した事例やそこから感じたことをより多くお伝えし、少しでも保育所長の皆さんが保育現場で役立つ研修にしたいと考えました。
事件の被害者、加害者がどのような経験をするか、
事件の加害者となってしまった場合には、謝罪・賠償の責任だけでなく、
原因説明責任、再発防止責任も負うこと、それを念頭において日頃からリスク回避として
何をしなければならないか。
また、保育園で保護者から園児がわいせつ被害にあったのではないかという相談を受けた際にどのような対応をするかという事例検討のグループワークも行いました。
さらに、事故予防の基本的な考え方についてもお伝えし、ヒヤリハットの記録の際には「変えられるもの」の情報を多く記録し、傷害予防のための対策につなげることが大切であることをお話ししました。
70名近くの参加者に2時間半に渡って、具体的な事例も踏まえながら、盛りだくさんの内容となりました。
参加してくださった方のアンケートで、印象に残った内容として一番多かったのが、傷害予防の基本であるABC理論と予防に役立つ記録の取り方、二番目に多かったのが、わいせつ被害の相談があった場合の対応に関する事例検討でした。
また、グループワークを多く取り入れたことで、他の園の園長と話ができたこともよかったという感想が多くありました。
子どもの事故や犯罪被害を起こりにくくするには、様々な立場の大人が情報を共有していくことが大切です。今年3月まで9年間、私も子どもたちが保育園で大変お世話になりました。実際に保護者として経験したこと、保護者と保育園側とのコミュニケーションの大切さ、どうしても対応に困る場合は弁護士に相談してよいことなどもお伝えしました。
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